こんにちは、なかおしくん(@nakaoshikun)です。
突然だが、あなたは有給休暇をいかがお過ごしだろうか?
おしゃれなカフェで恋人とパンケーキをつついている?あるいは友人たちと海沿いでバーベキュー?
帰れ!!! 今すぐ画面を閉じて帰りやがれ!!!
なにも悪いことはしていないのに、ただちょっとギャンブルが好きで、ただちょっと人より諭吉の取り扱いが雑なだけで「真っ当な趣味」から迫害されてきた我々日陰者にとって、休日の居場所とは常に「鉄火場」である。
そう、ホールという名の戦場だ。
本日のターゲットは『スマスロ ヨルムンガンド』。
朝イチ、わずか投資4,000円。ゲーム数は100Gへ到達しようとしていた。
ヨルムンガンドといえば、やはりチェキータさんである。

少し考えてみてほしい。 同じ相手と結婚と離婚を繰り返している、熟練の戦闘狂の人妻。 ……。 …………。
ウッ、ウワアアアアアアアアアアアア!!!!
かわいィィィィィィィィィィィィィィーーーーーッ!!!!
最高だァァァァァァァァァァァァァーーーーーッ!!!!
なんだその設定は! 属性が! 属性の致死量が僕の脳髄を直接殴ってくる!! 合コンで「趣味はカフェ巡りですぅ〜」とか言っている量産型の女子には絶対に出せない、硝煙と血と、そして圧倒的な大人の色香!! 人妻! バツあり! 最強! ぼくもチェキータさんにナイフで優しく切り刻まれたい!! むしろ切り刻んでくださいお願いします!!!
……コホン。取り乱してしまった。
さて、そんなチェキータさんの神々しさに震えていると、100Gの超高確率で当然のようにレア役を引きCZへ。
さらっとATに突入した。 実に簡単だ。今抱えている仕事もこれくらいイージーであれば、僕の人生も少しは違ったのかもしれないが、嘆いても仕方がない。
ATは無念の駆け抜けとなったものの、50Gで高確率中の強チェリーからCZヒット。
一度は「外したか……?」と思わせる演出からの、設定差の大きい「確定CZ」の登場である。

さらにである。 サブパネルに、高設定の弱示唆である「ワイリ」が現れたではないか。
ここでぼくの脳内コンピュータが高速で弾き出した論理的推論を見ていただきたい。
- 朝イチの挙動が極めて素直(100G超高確からのAT)。
- 設定差のある確定CZの確認。
- その後も100G超高確率からのスイカでCZへあっさり突入(簡単すぎる)。
- ココポイント経由でのCZ突入率が妙に高く、当選率も申し分ない。
- サブパネルにワイリが親の顔より出てくる。
以上のデータから導き出される結論は一つ。 「これは……ツモった(高設定を確信した)というわけだ」
時刻は12時。 収支もなんだかんだでプラス域。圧倒的勝利のビジョンが見えた。 ……はずだった。
爆弾魔の甘い罠と、筋肉への渇望
12時を境に、突如として風向きが変わった。
……引けない。 あんなに軽かったCZが、嘘のように引けなくなったのである。
気付けば450Gを突破。 事前調べにおけるヨルムンガンドの解析データによれば、「450G超え」は高設定をかなり強く否定する特大のマイナス材料である点は特筆に値する。 結局、850Gという随分と深いところまで引っ張られてようやくCZ成功。少し回収するも、投資を捲るには到底届かない。
時刻は13時。 投資はまだ10,000円弱。論理的に考えれば、ここは「撤退」一択である。
データが、理性が、僕に「ヤメろ」と警告している。
しかし、僕は追った。 なぜか?
筋肉のついたつよかわ系女性を見れるのは、
ヨルムンガンドくらいだからである!!!

ウッ、ウワアアアアアアア!!筋肉!!筋肉美だァァァーッ!!
バルメェェェーーーッ!!
その引き締まった肉体! 汗ばんだ肌! がっしりとした肩幅! 我々のような、日々のデスクワークと運動不足で腹の肉がむちむちとだらしなく丸みを帯びてしまった軟弱な男にとって、彼女たちの鍛え上げられた筋肉はまさに信仰の対象!! もっと見せてくれ! その筋肉で僕の軟弱な首を締め上げて、この理不尽な社会から解放してくれェェェ!!!
……ハッ。 いけない、また筋肉の幻惑に囚われていた。
現実は残酷だ。 急激に失速するスランプグラフ。
強チェリーすら平然とスルーし始める台。 明確な「危険信号」である。
だが、ヤメようとするぼくを引き留める者がいた。 ワイリである。

こいつ……! 18回の内、12回(66%)も顔を出しやがって……!
僕が席を立とうとするたびに、サブパネルで高設定示唆の顔をしてこちらを見てきやがる!
完全に僕の足を止めるためのトラップである。 この爆弾魔めが!! 僕の財布ごと爆破する気か!!!
しかし、再び450Gを突破した瞬間、僕の心の中で何かがスッと冷めた。
「……ヤメだ」 心を鬼にして、離席ボタンを押す。
結果、32,000円のダメージを負って、ぼくはヨルムンガンドの島から撤収した。
生存戦略としての「逃げ」
その日の夜、帰り際に僕が座っていたヨルムンガンドのスランプグラフを確認した。

「マイナス5,000枚」
金額にして、およそ11万円のマイナスである。 もしあの時、ワイリの甘い誘惑に乗り、バルメの筋肉を追い求めて突っ張っていれば、ぼくは今頃、部屋の片隅で膝を抱えて息絶えていただろう。
32,000円の負けは、決して小さくない。痛い。ひどく痛い。 だが、ぼくは「致命傷」を避けたのだ。
社会というものは、我々のようなヒキ弱に対して常に理不尽なゲームを強いてくる。恵まれた資金や強烈なヒキを持つ者たちが軽々とクリアしていくステージで、我々は泥水に塗れ、理不尽な吸い込みに耐えながら、這いつくばって進まなければならない。
そんな厳しい世界を生き抜くために必要なものはなんだろうか? それは「勇気ある撤退」である。
どんなに魅力的な筋肉が目の前にあろうと。 どんなに都合の良いデータ(ワイリ)が自分を引き留めようと。 「これ以上は危険だ」と察知した瞬間、すべてを捨てて逃げ出すことができる冷徹な判断力。
それこそが、我々がこの残酷な社会で、明日もまた生き延びるための唯一の武器なのである。
11万円の負けを回避し、次もまた戦う権利を得た。
そう考えれば、今日の僕は、間違いなく「勝者」ではないだろうか。
……いや、その後別の台を打ち散らかして傷口を広げてるので敗者に決まっている。
それでは、また。

